2020年7月14日

ごはんを食べてくれないシニア犬②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





【食べてくれるかな?】


●ごはんを食べない原因


一般に、ワンちゃんがごはんを食べない原因はザックリ以下の3つに分けられます。


・体調がすぐれない(内臓・口腔・外傷など)

・お腹が空いていない

・ワガママ


シニア犬の場合は特に、代謝が落ちてくることから食が細くなりますし、老化によって内臓の働きも弱くなっていることから、ちょっとしたことでお腹を壊してしまったり胃もたれしてしまったりすることもあります。

食欲はあるのに食べられない場合は、消化のいいフードを選び、1回でたくさん食べさせようとせずに食事回数を増やしてみたり、食べやすいようにフードをお湯でふやかしたり、疲れない体勢で口に直接フードを運んであげるなどの工夫をすることが必要になってきます。

食欲がまったくなく、食べるエネルギーさえなくなってきている場合は、流動食や点滴という選択肢を視野に入れることになりますが、静かに寿命を全うしようとしているワンちゃんにこのような延命措置をすることが、かえってワンちゃんを苦しめてしまうこともあり得るので判断がとても難しいところです。



●ぜんぜん元気!


ラッシュくんの場合、飼い主さんが


「食べることそのものに疲れてしまうようなので、指で上あごに擦り付けるようにしてあげている」


と仰っていたことから、14才半という年齢からしてもかなり厳しい状況かと思っていましたが、それでもお預かりの判断をしたのは、


「でも元気なんです。おさんぽでもよく歩きます」


とのことだったからです。


元気におさんぽしているのにごはんを食べるエネルギーがないなんてことはまずありません(笑)

ラッシュくんがごはんを食べない原因は一体なんだろう?

実は夜中に隠れてスナックを食べていたりして・・・(;^ω^)

なーんて思いながらも、念のためシリンジの準備などして受け入れ態勢を整えていました。






さて・・・実際にお預かりしてみると、ラッシュくんはとーーーっても元気!!

ヒマさえあればグウグウお昼寝してばかりいるボスやナツよりもよっぽど活動量が多く、お庭でもおさんぽでもとにかく元気にしっかりした足取りで力強く歩いていましたし、オシッコの時はひっくり返りそうなほど高~~く脚を上げて、その後のケリケリも豪快!!

他のワンちゃんがナデナデされていると、ズイズイとさりげなく押しのけて最前列にやってくる・・・こりゃ、気力も体力もまだまだ現役そのもの♪


その様子を見て、わたしたちは


「ラッシュくん、ごはん食べるね ( ̄ー ̄)ニヤリ」


と確信しました。



●食べた食べた♪


◇1食目


最初の晩、ラッシュくんはおうちでごはんを済ませてやってきました。

でも、


「一応ごはんをあげましたが、ほとんど食べてくれなかったので、後でまたあげてみていただけますか?」


とのことだったので、とりあえず基本のフード(カリカリフードをお湯でふやかしたもの+ウェットフード)に加えて、比較的ラッシュくんが好んで食べてくれるというパンケーキを用意してみました。

ラッシュくんは、ウェットフードをスプーンに2杯と、手でお口に運んであげたパンケーキをひと切れ食べただけでした。



◇2食目


翌朝、ラッシュくんは他のワンちゃんと一緒におさんぽに出掛け、先頭を切ってヒジョーーーーに元気よくグングン歩きました。

きっと食べるだろうと、おさんぽ後の朝食に用意したのは基本のフード(ふやかしたカリカリ+ウェット)のみ。

ところがラッシュくんはわたしたちの期待に反してあまり食べてくれませんでした。

やっぱり自分では口をつけないラッシュくんに、手でお口に基本のフードを運んであげると数粒は食べましたが、その後 何か言いたげにジっとこちらを見つめるばかり・・・

仕方なく諦めてごはんを片付けました。

こういった時は、後で食べそうな時を見計らってごはんをあげて欲しいと飼い主さんは仰っていましたが、その日は夜のごはんの時間まであえてラッシュくんには何もあげませんでした。



◇3食目


朝ごはんの後、日中はいつもと変わらずとてもアクティブにお庭遊びやおさんぽをしていたラッシュくん。

間食はしなかったので、とてもお腹が空いているはずでした。

ところが、基本のフードだけをお皿に入れて「ハイど~ぞ♪」とあげたところ、またしても口をつけずにジ~っとこちらを見つめるラッシュくん。

手であげれば少しは食べてくれることはわかっていましたが、日中のアクティブさから見て、どう考えても自力で食べることが困難なんてあり得ないので、そのまま手を出さずに黙って見ていると・・・

ほどなくしてラッシュくんはごはんに口をつけたかと思うと、パクパクと実にいい食べっぷり!!

用意したごはんの2/3を一気に食べ切り、ゲフッ!!って大きなゲップをしていました(笑)


ラッシュくんの基本のフードはお湯でふやかしたカリカリフードにウェットフードを混ぜたものでした。

カリカリフードだけで1食分に十分な量でしたが、食欲が増すように嗜好性の高いウェットフードをカリカリフードと同じくらいの量混ぜていたため、全体の2/3も食べれば十分すぎる量です。


やっぱり~~~~~

食べるんぢゃ~~~~ん?!( ̄▽ ̄;)



その後は、毎食ウェットフードの量を少しずつ減らしていき、最終的にはほんの香りづけ程度に入れるだけにしていましたが、お泊り中にラッシュくんがごはんを食べないことはなく、毎回ほぼ完食してくれるようになりました♪



●心配の理由


ラッシュくんが自分でごはんを勢いよくパクパク食べている様子を動画に撮って飼い主さんに送ってさしあげると、


「ラッシュがこんなにガツガツご飯を食べているのは、いつぶり?!って感じです😭😭
もぅ、涙腺崩壊です😭
お皿の形状とか、高さとか、関係ないんですね😅」


と、とても喜んでくださり、わたしたちもとっても嬉しかったです♪


ラッシュくんの飼い主さんがこんなにも心配されていたのは、ラッシュくんがハイシニアだからというだけではなく、他にもこんな理由がありました。


1)ちっちゃなラッシュくん


ラッシュくんはトイプーの中でも小さい方です。

だから、身体の大きな子が2~3日ごはんを食べなくても大勢に影響がないのと違って、1日食べないと目に見えて痩せちゃうんです。

飼い主さんにとってハイシニアの愛犬が痩せていってしまうことは、外野がいくら「心配しすぎよ~」と言ったって不安が簡単に払拭されるものではありませんね。


2)食べにくさ問題


ラッシュくんは加齢に伴う歯肉炎が進行し、たくさんの歯を抜歯してしまっています。

歯がほとんどないので、消化に良く食べやすい柔らかいごはんを用意してあげることになりますが、お湯でふやかしたフードやウェットフードは時間が経つとお皿にペターとくっついてしまうって難点があります。

ラッシュくんは食べるのがとってもゆっくりなのに加えて、舌ですくうようにして食べるので、後半になると自分の舌でフードをお皿に押し固めるようにしてしまい、最終的には剥ぎ取れなくなっちゃうみたいなんです(;^ω^)

もっと食べたいから一生懸命舌で舐め取ろうとすればするほど、どんどん固まっちゃうフード・・・

きっと、飼い主さんが


「食べること自体に疲れちゃうみたいなんです」


と仰っていたのはこのせいかもしれないなと見ていて思いました。

そこで、手であげることはせずに、固まったフードをほぐして食べやすくするお手伝いだけしてあげると、最後までちゃーんと自力で食べてくれました。

うちで使用していたのはステンレスのフードボウルを使っていたので、フードがガッチリくっついちゃいましたが、摩擦係数の高い少しザラザラしたプラスチック素材の器などに入れてあげると、フードがくっつき難くてお手伝いなしでも最後まで食べられるかもしれないと飼い主さんにはお話させていただきました。



●嬉しいご報告


ラッシュくんがお泊りを終えておうちに帰った日の晩、飼い主さんからは次のような嬉しいご報告がありました。


「家に帰ってきて、ご飯を待つラッシュ。
そして、完食😭😭😭
お皿がまっさらになったのなんて、何ヶ月ぶりかの光景でした😭
感激です😭😭」


それから数日後にも、


「ラッシュは変わらず、ひとりでしっかり食べてます☺️👍🏽
そして元気いっぱいです😍」


飼い主さんもラッシュくんもとってもハッピーそうで本当によかったです♪



さて、次回はそんなラッシュくんが一体どうしてごはんをぜんぜん食べなかったか?

について考えてみたいと思います。





<今日のPetHotel11!>

チワプーNちゃん&チワマルPちゃん姉妹が
お泊りに来てくれたよ♪

妹のPちゃんは社交的なオテンバ娘

Pちゃん「こんにちは!ボスおじちゃん」


ナツ「Pちゃん、今日も元気ねえ」
Pちゃん「うん!ナツおばちゃんも♪」


チャコ「Pちゃん今日はお泊り?」
Pちゃん「うん!そうなの♪」


おじちゃんおばちゃんが束になってきても
ぜ~~~んぜんヘッチャラ♪


一方、お姉ちゃんのNちゃんは
他のワンちゃんには放っておいてほしいタイプ。

チャコ「Nちゃん、よろしくね~♪」
Nちゃん「う・・・うん」


でも、最初にお泊りに来たころよりも
ずーーっとずーっとたくましくなったんだよね!


Nちゃん「ちょっとあっち向いてて~~」


Nちゃん「さ!いいウンチ出たからもう
お部屋帰ろう~!」


Nちゃん「開けてくださ~~い!
お部屋に入りたいで~~~す!」

はいはい(;^ω^)


としお「Pさん、何してるですか~?」
Pちゃん「濡れた脚をフキフキしてもらってるの♥」


その隣では・・・

Nちゃん「ワタシも抱っこ抱っこ~~~!!」

Nちゃんは一番最初にもうフキフキ
してもらったんだけどね・・・(^-^;


としお「Nさん、そんなにイヤがらないでほしいです。
”温厚な雑種”でおなじみの”としお”ですよ~」
Nちゃん「なにそれ?聞いたことない」


Pちゃん「いっぱい遊んで眠くなっちゃった」


Nちゃん&Pちゃん「可愛く撮ってね~~!」


Nちゃん&Pちゃん「あ・・・!!」


Nちゃん&Pちゃん「ちょ・・・・っ?!」


Nちゃん&Pちゃん「ちょっとぉ~~~~!!」


冴えない曇天だけど、
雨に降られずおさんぽに来られただけでも
ラッキーー♪


みんなとっても上手におさんぽできたよ!


おさんぽで出会うワンちゃんを避けて歩く
Nちゃんだけど、一緒におさんぽしている
ワンちゃんたちなら大丈夫だね~~(^▽^)


Pちゃん「ふぅ~~・・・ごはんまで
このクッションでお昼寝することにしよっと!」


Nちゃん「ワタシはこのクッションが好き♥」


Nちゃん「Pと一緒のクッションだと
Pがじゃれついてくるからゆっくりお昼寝
できないのよね~・・・」


Nちゃん「よし!誰も来ないわね♪」


Nちゃん「ふぅ~・・・サイコーで~~す♥」


としお「Nさん、お隣いいですか?」
Nちゃん「ダメ、ゼッタイっ!!」


としお「わかったですよぅ~~~」


Nちゃん「あ、チャコちゃん来ないで・・・」


チャコ「どっこらしょっと~・・・♪」
Nちゃん「ガーーン!!ま・・・いっか・・・」












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