PetHotel11!お庭番のブログ③: ワンちゃんの歯磨きのコツ？①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!（ペットホテルワンワン）のお庭番です。

【グルーミングと健康寿命】

少し前に、ブログをお読み下さっている飼い主さんから、愛犬のハミガキに関するお悩みをお寄せいただきました。

それ以外にもお客様の飼い主さんから

「ワンワンさんではどんな風にしていますか？」

というご質問をいただきましたので、歯磨きについての記事を書いてみます。

少しでも何かのご参考になれば嬉しいです。

●いい習慣は普段通りに

PetHotel11!では、お預かりしているワンちゃんがいつもおうちでしているグルーミング習慣は、できるだけお預かりしている期間中も普段通りにやってあげることにしています。

だから、いつもおうちで歯磨きをしているワンちゃんの飼い主さんには、お泊りの時は歯ブラシや歯磨きペーストをお持ちいただいています。

歯磨き以外にも、ブラッシングや目ヤニ取り、垂れ耳の子がお耳からイヤな臭いをさせていればお耳掃除・・・など、いわゆる自分の愛犬にしてあげる”必要なグルーミング”は可能な限りやってあげています。

だって、おうちでせっかくいい習慣がついているのに、PetHotel11!にお泊りしている間にそれが途切れてしまうのはもったいないですからね！

もちろん、忙しくて手が回らない場合はできないこともありますが・・・(;^ω^)

●犬に歯磨きが必要なワケ

時々、次のように言う人がいます。

「ケッ！犬に歯磨きだって？ご苦労なことだねぇ～～！

自分も昔犬を飼っていたけれど、歯磨きなんぞ1回もしなくったって、死ぬまで元気でバリバリ魚の骨を砕いて食べてたモンだよ！

歯槽膿漏？そんなもん・・・ドッグフードなんか食わせてるからなるんじゃねーか～？！

犬に歯磨きなんか必要ないない！！」

ふむふむ・・・確かにそれもひとつの考え方だけど、わたしは少し意見が違っています。

人間と同じように、人に飼われているワンちゃんの寿命はどんどん延びていますね。

外飼いが減って快適な室内飼いが大半になったことや、フードの進化によって栄養バランスがよくなったこと、ノミ・ダニ・フィラリア予防といった健康管理の徹底などがその要因です。

けれども、そうしたことで寿命が延びたからといって歯や目や骨などの各パーツの耐用年数まで都合よく延びたワケではありません。

実際、外飼いで人間の残飯を食べていた飼い犬たちは歯磨きなんか1回もしなくても歯槽膿漏になったりはしなかったかもしれません。

でもそれは裏返せば、ワンちゃんの寿命と各パーツの寿命がちょうどいい塩梅だったから・・・つまり今よりも短命だったからとも言えるんですね。

ポイントは”健康寿命”。

人間の寿命も飼い犬たちの寿命も自然界における（野生としての）寿命を優に超えてしまっている以上、各パーツを自然のままに放ったらかしにしていると、老後に様々な不便や不快を感じることになってしまいます。

ですから、できるだけ各パーツが長持ちするようにメンテナンスをしてあげることで、

健康で快適で長生き

を実現させてあげたい！というのは飼い主さん共通の願いではないでしょーか？

特に愛犬にとっての日々の大きな楽しみ＝”食べること～♪”や”カミカミすること～♪”を、できることなら天寿を全うするまで奪いたくない！！そう感じているならやっぱり歯磨きは必要なことなんです。

●歯磨きの頻度は？

我が家の愛犬＝チャコととしお、そして高齢になった飼い主から超長期でお預かりしているボスとナツも、毎晩寝る前には歯磨きしています。

ワンちゃんの場合、歯に着いた汚れが歯石に変わるまでおよそ72時間（3日程度）と言われています。

歯石になってしまうとふつうの歯磨きでは取れません。

専用のスケーラーで削り取らなくてはならなくなっちゃいます。

歯石が溜まると歯と歯茎の間に隙間が空いて（歯周ポケット）そこに菌が入り込んで歯槽膿漏が進行していってしまいます（イヤーーーッ！！）

そのため、歯石がたまってくると獣医さんで歯石落とし（スケーリング）をしてもらうワンちゃんも多いことでしょう。

でも、スケーリングは高額ですし、何よりもワンちゃんに麻酔をかけて行うので、健康に心配のある子や老犬には大きなリスクを伴うんですね・・・

残念ながら、どんなにちゃんと歯磨きしていても、磨きにくい場所に歯垢が溜まって歯石化してしまうことは完全に防げません。

人間だって毎日歯磨きしていても、定期的に歯医者さんでお掃除してもらう必要があるのと一緒です。

けれども、麻酔をかけてのスケーリング頻度をできるだけ減らしてあげたいと思ったら、やっぱり日々の歯磨きが一番大切～！

さてさて・・・歯垢が歯石に変わってしまう頻度を考えれば2～3日に1回歯磨きすれば理論的には大丈夫なはずです。

にもかかわらず、私が毎晩愛犬たちに歯磨きしているのは何故か・・・

●面倒くさいと思うか楽しみに感じるか

4頭のワンたちにわたしが毎日歯磨きしている理由はふたつあります。

ひとつは、毎日の習慣にしないとついつい「今日は疲れているから明日でいっか～！」っていい加減になっちゃう自分の性格をよ～く解っているから(;^ω^)

もうひとつは、歯磨きを含むグルーミングの時間が、わたし自身と犬たちにとってとても大切な時間だと思っているからです。

ルーティンのグルーミング内容は、それぞれの状態に合わせて微妙に異なります。

◇ナツ

チワックスのナツは、過去に歯槽膿漏で数本抜歯している子です。

口がとっても小さくて歯はまるで針のようなので、きれいに磨くのが難しいのですが、一たび歯槽膿漏になれば簡単にその小さな歯はダメになってしまうでしょう。

だから、ナツには柔らかめの毛で小さいヘッドの歯ブラシを選んで優しく丁寧に歯磨きしてあげます。

歯磨きが終わったら全身のブラッシングをして、最後にイイコイイコっていっぱいナデナデしてあげます。

◇ボス

ボスはボールの噛み過ぎで犬歯が2本とも折れちゃってます(-_-;)

とても歯垢が溜まりやすいので（ダックスの口ってだいたい臭いんです～）
しっかり磨きます。

更に垂れ耳なので、ジメジメした季節にはすぐに耳にマラセチア菌が繁殖しちゃうため、お耳のお掃除もしてあげます。

そして全身をブラッシングして、最後にイイコイイコっていっぱいナデナデしてあげます。

◇チャコ

元繁殖犬のチャコは歯が全体にボロボロで歯並びも悪く、毎日磨いても磨き切れないところがあって飼い主泣かせのお口なんです・・・

獣医さんと相談して来年あたりスケーリングをする予定になっていますが、毎晩一生懸命磨いています。

また、シーズーの血が入っているチャコはシーズーのような目が大きい子に共通した慢性的なドライアイと涙焼けの問題を抱えています。

本来眼球にとどまって目を潤してくれるはずの涙がどんどん出ちゃうんですね・・・(;´Д｀)

そのため、獣医さんで処方してもらったヒアルロン酸目薬を毎晩点眼すると共に、カピカピになって涙焼けを起こしやすい目頭から鼻筋をきれいにお掃除しています。

そして全身をブラッシングして、最後にイイコイイコっていっぱいナデナデしてあげます。

◇としお

としおはまだ若いので、チャチャチャッ！と歯磨きしてブラッシングしてオシマイ！！

としおはナデナデよりもブラッシングが好きなのですが、最後はやっぱりわたしがイイコイイコしたいのでします（笑）

言うまでもなく、我が家はただでさえ多頭飼いで、しかもペットホテルなので、この子たちにとって自宅には常に自分以外のワンちゃんたちが入れ代わり立ち代わりワラワラいる状態です。

だから、ほとんどの時間はわたしたちを独占して甘えることなんてできません。

この子たちが唯一、”ワン・オブ・ゼム”ではない状態でわたしたちとの濃密なスキンシップを堪能する時間がこのグルーミングタイムなんです。

ほんの短時間ではありますが、作業の合間にモノのついでに「イイコイイコ♪」ってしてもらうのとはぜんっぜん違う幸せな時間がそこにあるのだということは、幸せそうに甘える彼らの表情やしぐさを見ていると十分すぎるほど伝わってきます。

そして・・・もちろんそんな彼らの表情を見ることができるその時間は、わたしにとってもかけがえのない時間なんです。

●一番のコツ

おーい、いつになったら歯磨きのコツを教えてくれるわけ～～？って感じていらっしゃることと思いますが・・・・(￣▽￣;)

この、『歯磨きタイムを至福の時間にする』ってことこそが、歯磨きを成功させる一番のコツだと思っているんです。

歯磨きはあんまり好きじゃない・・・でも、歯磨きとセットで大好きな飼い主さんとのベタベタタイムがあるからガマンできる！！

ワンちゃんにそう感じてもらえたら、飼い主さんにとってもワンちゃんにとっても歯磨きタイムが面倒なストレスから楽しい時間に変化するはずですね。

・・・というわけで、長くなってしまったので今日はここまでにしまーす！！

次回はもう少し具体的なお話をしてきたいと思います。

＜今日のPetHotel11!＞